自動レベル補正
メニューの「エクストラ」-「カラー調整」-「自動レベル補正」を実行したものである。
これはすべての劣化した紙の写真の修整・修復の基本的な出発点として使える有用なものである。
原画
スキャナーでとった劣化した紙の写真の「ナマ画像」である。
自動レベル補正
この「自動レベル補正」だけでもかなりの修整はできる。
これだけで大抵の場合はそれなりに処理できるといえる。
自動レベル補正の問題点
「自動レベル補正」は有効な方法であるが、すべての画像をこれだけ処理することはできない。
- 自動レベル補正をすると明らかに不適当になる画像が少なからずある(たとえば、宍道湖や玄界灘の写真)。
- 明らかに不適当といえない場合でも、原画のもつ「柔らかさ」が失われる場合が多々ある(たとえば、萩焼の写真)。
- 青緑系の色が多い画像ではほぼ完璧に修整ができるが、赤系の色の修復は不完全であることが多い(たとえば、智積院や退蔵院の写真)。これは自動レベル補正の問題ではなく、赤系の色は褪色しやすいということに主な原因がある。
手動でのレベル補正
色域の調整したり、ハイライト(白)、中間色、またはシャドウ(黒)の部分にピクセルが集中しているビットマップを修正するのに使う。
色域が全体に広がっているビットマップでは、ハイライト、中間色、シャドウのすべての範囲にピクセルがある。
- 明るいピクセルが多いビットマップ(ハイライト)は、色あせたように見える。
- 中間色のピクセルが多いビットマップは、めりはりがないように見える。
- 暗いピクセルが多いビットマップ(シャドウ)は、細かい部分があまり表示されない。
レベル補正をすることによって、一番暗いピクセルが黒、一番明るいピクセルが白に設定され、中間色はそれぞれに応じて再分布される。その結果、イメージの細部がより鮮明になる。
これは言い換えれば、写真上にある色で、どの色を白にし、どの色を黒にするかを自分で決めるということである。それに合わせて他の色の諧調も自動的に調整されて決まることになる。
自動と手動の差
手動との差は、イメージ内の一番明るいピクセルと一番暗いピクセルを自動的に選定し、白と黒を自動的に設定することである。
すなわち、写真に表れている色で、一番明るいピクセルが白に、一番暗いピクセルが黒に自動的に設定され、その後、上のレベル補正フィルタの機能が自動的に行われるということである。
したがって、黒っぽい色が多い写真や白っぽい色が多い写真で自動レベル補正を使うと、暗すぎたり明るすぎたりすることになる。