不良はMD機器かMDディスクか

他のMDディスクが問題なく録音(再生)できるのに1枚だけ録音(再生)できないことがある。あるディスクでは録音しても音飛びが起こるのに、他のディスクには起こらない。こういう場合に、MD機器(MDプレーヤー)が悪いのか、それともMDディスクが悪いのか、なかなか判別しにくい。

今年になってからパナソニックのMD機器にはエラーやトラブルがちょいちょい起こっていた。録音する場合に音飛び等の症状が出たり、始め30分ほどは録音できていないが後半は録音されていたり、またはまったく録音できていない場合などがあった。これにはガマンしていた。

ところが、今度は今まで録音して正常に再生されて聞いていたものまでブランクディスク化してしまうというトラブルが起こる。録音済みのMDの空き領域に追加して録音したら、ブランクディスク(BLANK DISC)になった。その後は「TOC ERROR」になって使用不可状態になる。この症状が今までよく聴いていたMD2枚にも起こる。いつの間にか「TOC ERROR」と表示されて、読み込み不能で内容がパーッと消えてしまった。これにはちょっとプッツンした。

さっそく購入したパナソニックの販売店の人を呼び出す。2008年の6月頃に購入してから2年程度しかたっていない(保証期間1年は過ぎている)。これがヤマダ電機などの量販店で買ったものならこんなことはできないのだが、こういう販売店で買うとそれができてしまう(笑)。来てもらったところでその場で直せないからメーカー送りで修理になる。

その際に「圧力」をかけておく。こういう音響機器は5~6年は故障やトラブルは起こらないはず(実は根拠はない)。この機器自体に欠陥があるんじゃないか。これからはパナソニックのものは安心して使えない。今まで聞いていたMDが破壊されたがこれはどうしてくれる、、、などなど、いろいろハッタリをかましておく(笑)。

さて、機器が返ってきた。「ヒカリピックアップ」という部品を交換していたようである。販売店への「圧力」の効果があってか、修理は無料でやってくれた。こういう融通がきくところが量販店ではない昔ながらの電気屋さんのいいところである1)。こういうサービスまで含めて考えると量販店で買うのはトータルでは必ずしも安いとはいえないことにもなる。

これでわかったことがある。修理前は、買ってきたばかりの新品のMDディスクで録音しようとしても「TOC ERROR」で録音できなかったものが数枚あった。修理後に、これらのディスクを使ってみると「BLANK DISC」として再度使える。
しかし、それでも「TOC ERROR」と表示されるディスクがある。これはもう「BLANK DISC」にはできなかった。これは以前は正常に録音でき再生もしていたものだから、ディスクの初期不良ではない。故障したMD機器によって破壊されたものである。

要するに、新品のMDディスクが破損されていること(初期不良)は非常に少ないということである。音飛び等の症状の原因はMD機器(MDプレーヤー)にあることが多い2)

ところで、こういう機械は永久に使えることはありえないことは当然である。その販売店の話によると、せいぜい長持ちさせるための対策として考えられることはMDレンズクリーナーでレンズをきれいにする程度である。レンズクリーナーには乾式と湿式があるが、湿式の方が効果があるとのことである。こんどは無料にはしないという「圧力」を逆にかけられたようである(笑)。
NOTES
1) 本来なら15000~20000円くらい取られるところだったかもしれない。
2) 不良が発生したMDディスクとは別のMDディスクには正常に録音できる場合がある。また、今まで正常に再生できていたディスクでも「ALL ERASE」した後に録音すると音飛び等が発生する場合もあった。これらも今考えるとMDディスク自体の初期不良というよりはMD録音機器が故障している可能性が高い。




庶民に根強いハコ物信仰

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14.13.37.192 [05/May/2022:22:16:21] tpc_0511 mdプレーヤー 音とび
118.18.22.22 [05/May/2022:15:55:37] tpc_0511 md 録音できない
153.139.128.8 [04/May/2022:23:41:32] tpc_0511 MD 読み取りエラー
66.102.6.185 [21/Aug/2017:05:23:18] md 録音できない 原因
218.47.76.95 [01/Oct/2011:17:18:07] MDディスク エラーは、なぜ起こる。
これらはMDプレーヤー(機器)の光センサー部分の部品の劣化だろうと思われる。それによって不完全な書き込みや不完全な読み込みがおこなわれることになる。電球や蛍光灯に耐用時間(寿命)があるのと同様に、この「光」もある程度の時間使っていると寿命になるということである。
この寿命が、カセットテープのデッキなどとは違って、その寿命が格段に早くやってくるようである。5~6年は故障しないというハッタリはカセットデッキ(のモーター部分)を念頭においたものである。

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117.103.166.39 [21/Sep/2013:18:46:01] mdディスクすぐ壊れる
118.243.57.184 [21/Sep/2013:20:19:19] MDディスク寿命
私の修理体験からいうと、MDディスク自体は極めて堅牢である。しかし、ディスク装置(MD録音再生機器)は壊れやすい。その壊れやすい(壊れた)ディスク装置を使うから、結果的にMDディスクが壊れてしまうことになる。

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66.102.6.187 [12/Sep/2017:11:24:29] MD長持ちしない
60.39.103.77 [31/Dec/2014:14:14:42] 新品MD 録音できない
101.142.238.189 [18/Dec/2014:09:14:20] MDに録音されているのに機器によっては聴けないのは何故
114.188.229.114 [29/Aug/2014:12:37:38] MD ブランクディスクにしたのにTOCエラー
一般人には根強い「ハコもの」信仰である。ディスク装置(機器)は値段が高いから壊れないはずだ。MDディスクは安いから悪いのはこっちだ。そういう思い込みにとらわれているのである。ディスク装置(機器)の方が脆弱で壊れやすいという認識はないようである。



こういうことを書くと、その昔、フロッピーディスクというものが初めて出てきた時のことを思い出してしまう。そんなペラペラな薄っぺらいもので長い間保存できるのか。そんなことが言われた時代をである。しかし、今まだ大量にフロッピーディスクが部屋に積み上がっている。もちろん今でも使えるものである。しかし、それを読み込むマシンの方がすでに存在していない。売られてもいない。