株のグラフ

以前はローソク足などの株価チャートは特別のソフトがなければパソコンで見ることができなかった。今では新聞社、証券会社などがインターネット上でローソク足、出来高、移動平均線などを組み合わせたものを無料で提供している。これをいつでも簡単に見ることができる。そのため、そういうソフトの出番もなくなってしまった。隔世の感である(笑)。

ところで、株価についてはいろいろなグラフがあるが、大半のグラフは株価分析遊び(分析のための分析)に堕してしまっていて、実際の個別銘柄の投資にはほとんど役に立たない。多少とも役に立つのはローソク足チャート、逆ウオッチ曲線、サイコロジカルラインぐらいであるといっても過言ではない(私見)。もっとも、どの指標も投資に対する決定打にはなりえない。分析グラフなどの過信は禁物である。株式分析はエセ科学の宝庫であるから、本末転倒した発想をするバカが多数出てくる。せいぜい参考程度になるだけである。


逆ウオッチ曲線とは

株価と出来高の間には密接な関係があることに注目して、売買のタイミングをつかむためのグラフである。これは、株価に対する出来高の先行性という経験則に立脚するものである。

グラフは縦軸に株価、横軸に出来高をとり、それらをつなぐだけという単純なものである。時系列にあわせてグラフを描いていくと時計回りと逆の動きをするグラフができるので逆ウオッチ曲線と呼ばれている。

この逆ウオッチ曲線は、出来高の多い大型株には有効な手法であるといわれている。ところで、本来は株価も出来高も何日かの移動平均を使うが、そんな面倒なことは個人投資家には無理である。さらに、移動平均となると「今」の売買にはタイムラグがありすぎて使い物にならない1)。そこで、毎日の株価と出来高を利用するのが手軽な方法である。
NOTES
1) タイムラグの問題はゴールデンクロス、デッドクロスなどにも共通する問題である。

このグラフの理論上の形は次のような形であるが、実際にはこんなきれいな形になることはない。
しかし、自分の持ち株またはこれから買いを考えている株の追跡調査などの参考には使える。


なお、どの指標にもあてはまることであるが、ダマシがある点に注意すること。たとえば、出来高はクロス売買などの特殊な取引によって、みかけだけ膨らむことがあるので注意が必要になる。

要点
  1. 株価が低迷したまま出来高が増加する段階 = 陽転のきざしがある
  2. 株価が上昇し出来高も増加する段階 = 買い
  3. 株価がさらに上昇し出来高も高水準な段階 = 買い
  4. 株価はやや上昇するが出来高が減少に転じた段階 = 買いは見送り売りを考える
  5. 株価が頭打ちで出来高も減少する段階 = 警戒
  6. 株価が下落し出来高も減少する段階 = 売り
  7. 株価が下げ続け出来高も低水準な段階 = 売り
  8. 株価が下げ続けているが出来高が増加する段階 = 仕込みを考える


エクセルで逆ウオッチ曲線を描く

このような特殊なグラフとなると、手軽に見られるようなものはまだないようである。しかし、エクセルで出来高と株価を入力すれば簡単に逆ウオッチ曲線を描くことができる。なお、エクセルのグラフでは、先にあるデータ列が横軸(X軸)になるので、出来高-株価の順にデータを作成しておく必要がある。


上の例のようにして、グラフを描きたい範囲を選択して、下記のマクロを実行すれば、即座に逆ウオッチ曲線が描ける。


逆ウオッチ曲線の描き方(Excel/VBA)