証券会社はチンピラ詐欺師のたまり場

証券会社やその社員は信用できないと思っているほうが、無用の「被害」をこうむることがなくていいようである。

数年前のある夜、日興コーディアル証券の社員から電話がかかってきた。債券などの売り込み勧誘である。断っても2~3日おいてまたかかってくる。要するに、少しでも話をしたり、言うことを聞いてやったりすると、売り込みの「見込みがある」という牛馬並みの訓練を受けているようである。あまり長い間これが続くと、ついついこの男もノルマがあって困っているんだろうと同情してしまう。

今ではどこの証券会社でも、自社が販売した債券や投信の時価は自社のホームページで公開しているが、日興の場合はそういうことはやっていなかった。インターネットを通した取引や時価の公表などはやっていなかったのである。
(私)そういう不便なところで時価もわからないようなものを買う気はない。
(男)買ってもらったら、ボクが毎月1回は必ず時価のお知らせの電話をする。それ以外でも、儲かって売り時だと思うときには電話をする
(私)そんなら買ってやってもいいけど、今日はもう夜の11時だし、遅いからまた今度にしよう。
(男)今すぐ申込書にハンを押してほしい。今おたくの門の前にいるから、開けてほしい。
この男がこんな夜中に私の家の前から電話していたとは知らなかった。まさに油断大敵である。住所地図などで事前に調べていたのだろう。迂闊なことを言ってしまったと思っても後の祭りである1)。とうとう入れてやって申込書にハンを押してしまう。
NOTES
1) この男から電話があるといつも「今夜は遅いからまた今度にしよう」といって切り上げて断っていたので、その裏をかかれたということである。

さて、その後。この債券を約2年ほど持っていた。その間に、毎月1回は必ず時価のお知らせをすると言ったこの日興の男から、一度も電話がかかってきたことはないのである。買う前はあんなに頻繁に電話があったのに、買うとウソのようにバッタリと電話がなくなった。あれは申込書にハンを押させるための口先だけのでまかせだったのである。ハンを押させさえすれば、もう知ったことか、あとは野となれ山となれである。これはまさにペテン師といってもいいだろう。

証券会社の社員に体質的に染み付いている「詐欺的営業」は、この男だけに限らず他の証券会社でも似たり寄ったりであろう。証券会社に巣くう構造的な病弊であるといってもよい。


折りしも、日興コーディアル証券の組織ぐるみの不正経理によって、東証から上場廃止の危機に瀕しているという。証券会社とその社員のいい加減な体質からみれば、さもありなんという感じで別に奇異なことではない。むしろ起るべくして起ったものであろう。

この件に関して、朝日新聞(2007/02/10)の社説に次のようなコメントがある。
NEWS BOX
「誠心誠意の」は英語ではコーディアル。日興コーディアルグループの社名は、そこから来ているという。同時に、コード(きずな)の意味も込められている。「誠心誠意のきずな」という看板とはかけはなれた、不正な決算が発覚して、大きく揺れている。
- 朝日新聞2007/02/10 -
下が下なら、上も上である。やることがインチキだらけである。

上から下まで腐ったペテン師的体質をもつこのような会社は、まさにその看板に偽りありである。「「誠心誠意のきずな」という看板とはかけはなれた」ことをするのがこの会社の体質のようである。こういう会社は一刻も早く証券市場から退場するのが世のため人のためになるだろう。また、新たな犠牲者をうまないためにも。

- 2007/02/10 -


重要
証券会社の人間の言うことを真に受けるな。信用するな。