水清ければ魚住まず
指名競争入札は、広範囲で競争する手間が省け、特に地方では安定的または独占的に仕事にありつけるため、業者側にとっては「ウマ味」が多い。裏を返せば、税金の無駄遣いになるということでもある。
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「東国原知事にヤジ 反「入札改革」で業者3500人集会」
県発注工事は一般競争入札が拡大。今年1月からは、ほぼ全工事が対象となる250万円以上に範囲を広げた。昨年度の落札率83.9%は06年度の93.4%から急減した。県建設産業団体連合会の永野征四郎会長は「ほとんどの企業が赤字覚悟で受注している。業界はこれ以上ないところまで疲弊している」と訴えた。最低制限価格の引き上げ、指名競争入札の一部復活などを求める決議文を採択し、知事らに手渡した。
- 朝日新聞2008/09/02 -
一般競争入札では県外の業者も参加できてしまうが、指名競争入札で県内の業者だけを指定すれば県内の業者は潤うというわけである。また、同一県内であれば談合もしやすい。業者には濁った泥水の方がなにかと都合がいいようである(笑)。
これは中央省庁についても同様である。業者にとっては「税金」ほど「おいしい」ものはない。
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総務相、競争入札の実態調査指示「現実は1社入札も」
原口一博総務相は19日午前、中央省庁が発注する事業の入札について、「競争入札に見せかけているようなものもいっぱいあるのではないか」と述べ、総務省に実態調査を指示する考えを示した。TBSの番組での発言。原口氏は「(2社以上の競争入札でも)現実は1社入札で、本当は100万円で済むもの(事業や物品)が、150万円で買われている」と語った。参加業者間の談合が疑われる事例もあり、原口氏は同省行政評価局などを通じて各省庁の実態の洗い出しを急ぐ考えだ。
- 朝日新聞2009/10/19 -