バカの一念岩をも通す

今日のニュースを見ていたら、世間を騒がせた「PC遠隔操作事件1)」が解決しそうな気配である。犯人逮捕のキッカケは、残した「記録媒体」、「防犯カメラ」の映像、「車両の通行記録」などからのようである。
NOTES
1) 遠隔操作型ウイルスによって、それに感染したパソコンから犯行予告が書き込まれ、そのIPアドレスをたどっていくという手法で男性4人が誤認逮捕された事件。

NEWS BOX
PC遠隔操作、東京・江東区の30歳男を逮捕
遠隔操作型ウイルスに感染したパソコンから犯行予告が書き込まれるなどした事件で、警視庁、大阪府警、神奈川、三重両県警の合同捜査本部は10日朝、一部の事件に関与した疑いが強まったとして、東京都江東区の片山祐輔容疑者(30)を威力業務妨害容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、片山容疑者は今年1月4日午後、神奈川県藤沢市江の島にいる猫に、ウイルスのデータが入った記録媒体を取り付けており、その様子が防犯カメラに映っていた。捜査本部は、カメラ映像の解析や、片山容疑者が江の島からの帰りに使った車両の通行記録などから身元を特定した。
- 読売新聞2013/02/10 -
犯人がインターネット世界という、いわば仮想空間で動いている限りは、その特定は難しかっただろう。実際にも警察の捜査はデッドロックに陥っていた。しかし、犯人がそこをはみ出して現実社会にノコノコと出てくると簡単に旧来の捜査の「網」にかかってしまう。皮肉と言えば皮肉である。

雉(きじ)も鳴かずば打たれまいという諺があるが、こういう犯人はそれを自分がやったということを世間に知らせたいという性向(自己顕示欲)を持っているのが普通である。その点からいえば逮捕はいずれ時間の問題だったという感じはする。

ところで、今日になって急に次のような人名の検索キーワードがでてきた。確かに、このオトコは今から7年半ほど前の古い事件で「バカ」の例として取り上げたことがある。しかし、今またなぜこんな古いことを、という感じである。

このPC遠隔操作事件の犯人と7年半前の事件の犯人が同一人であるのかどうかはわからない。住所は同じ区内である。年齢は7年前は23で今30だから符合する。名前の姓名の、名は同じだが、姓の方が違っている。結婚でもして姓が変わったのかもしれない。ニュースによると7年前にインターネット掲示板上での脅迫の「カド」で刑務所に入っていたという。これらからみると同一人である可能性が高い。

この犯人の改名前の名前を知っているとなると、犯人の周囲にいて事情をよく知っている者に限られるだろう。

過去に警察からIPアドレスをたどってこられて逮捕された経験があるこのオトコなら、こういう事件を起こすのも「ありそうな」ことかもしれない。それにしても、7年間もの長い間、その事件の「実地経験」を逆手に取って警察の「裏をかく」ことに執念を燃やしていたことになる。その強靭な意志力をもっと他に使えなかったものか。

重要
性犯罪とネット犯罪は何度でもくり返される。

- 2013/02/10 -



このオトコ、逮捕後から一貫して事件への関与を否認していたようだったが、保釈中に「真犯人」からのメールを各方面に送ったことが発覚して、自分が犯人であることを確定させてしまったようである。
NEWS BOX
片山被告を勾留へ PC遠隔操作事件 関与すべて認める
パソコン(PC)遠隔操作事件で、威力業務妨害などの罪に問われている片山祐輔被告(32)=保釈、公判中=が19日夜、自ら弁護団に電話をして「自分が犯人です」と話し、10事件すべてについて関与を認めたことがわかった。(中略)。
「河川敷に埋めた携帯(スマートフォン)がまさか見つかると思わなかった」と説明。一連のPC遠隔操作事件について「やってみたら簡単にできてしまった」と話したという。(中略)。
一連の事件をめぐっては、今月16日に「真犯人」を名乗るメールが報道機関などに送られてきた。片山被告の無実を示唆する内容だったが、河川敷にスマートフォンを埋める片山被告の姿が目撃されていたことなどから、捜査当局はこのメールは片山被告自身が送ったものだと断定。
- 朝日新聞2014/05/20 -
「ネット犯罪は何度でもくり返される」ということをまたまたこの犯人自身が実証してしまったようである。今度ムショから出てきてもまたやらかすことであろう。バカは度し難い。