御用放送局

三大御用メディア(読売、産経、NHK)のひとつ、NHKで受信料を強制的に取れるようにしようという動きが自民党内にあるという。国民から金を取って政府の都合のいいことばかり放送させようとするとは、そのあくどさに開いた口がふさがらない。
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NHK受信料の義務化を提言 自民小委、値下げとセット
放送のあり方について議論する自民党の「放送法の改正に関する小委員会」(佐藤勉小委員長)は24日、NHK受信料の支払いを義務化することも視野に入れた提言書をまとめた。支払率は2014年度で76%にとどまっており、国民の公平な負担を徹底することを目指している。
- 朝日新聞2015/09/24 -
こんなことをしても、首相の息のかかった「お友だち」をトップに押し戴いているかぎり、NHKが「公平な」放送をする保障はまったくない。政府に都合のいい放送ばかりする偏向放送をやめることが最低限の条件であろう。そうでなければ文字通り「盗人に追いゼニ」である。

偏向報道には2つのパターンがある。積極的に政府宣伝の放送をする場合と、消極的に政府に都合の悪いことは放送しない場合である。NHKはこの両方を使って露骨に「御用放送」をタレ流している。ごく最近では次のような例がある。
  1. 8月30日の「12万人集会」当日も、NHKは12万人もの人が国会前に押し寄せた反対運動の様子はほとんど流さなかった。明らかに政権擁護の姿勢がみえみえである。
  2. 記者が政府の意向を代弁するかのように、「連休を挟むと不測の事態が起こりかねない」とし、暴動でも起こるかのように危機感をあおっていた。
  3. イランと欧米の核合意でホルムズ海峡封鎖が現実味を失うと、今度は政府と歩調を合わせて南シナ海の中国脅威論をあおる報道を始めた。
  4. 「法的安定性はどうでもいい」と言った礒崎補佐官の参考人招致の模様を中継放送しなかった。
これ以外にもまたまだ多数の偏向放送例がある。沖縄関係の放送にはそれが顕著である。

またニュース・報道番組以外にも隠微な方法で、政権の意に沿うようなイメージを刷り込む番組がある。たとえば、大河ドラマの「花燃ゆ」では、安保法制に合わせるかのようにうるさいほど「この国を守る」などの言辞を連呼させたり、インタビュー番組でゲストの宝田明が戦争を批判する意見を述べはじめると故意にさえぎってしゃべらせなかったことも記憶に新しい。

こうなるともうまともな報道機関ではない。ナチスの手口をマネして憲法を破壊し、戦前回帰をめざす安倍軍事オタク独裁政権の協賛機関にすぎない。いずれ「大本営発表」などというニュースも流すようになるかもしれない(笑)。こんなものに「カネ」を払うのはバカバカしいと思う人が多くいるのももっともなことである。ちなみに、わたしはテレビという受像機器はもっていない(たまに喫茶店・食堂・病院などで見ることがあるが)のでもこういう話には関係はないのだが。

- 2015/09/26 -



その後、こんなニュースがある。
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安保報道、NHKに反響1万件 厳しい意見6割
安全保障関連法案をめぐるNHKの報道や番組について、同法成立直前の9月16日から18日にかけて視聴者から同局に計9655件の反響が寄せられ、うち62%が「公平に放送してほしい」といった厳しい意見だったことが27日、分かった。同日のNHK経営委員会後、浜田健一郎委員長が明らかにした。問い合わせが25%で、好意的な意見はわずか2%だった。
- 共同通信2015/10/27 -


大河ドラマ

テレビはあまり見ない。東北の大地震のあとに世間は地デジに移行した。それを機にテレビはなくてもいいかもしれないと思い立ったので、あの時から個人的に見ることができるテレビ(受信装置)はない。したがって、テレビは基本的には見ない。しかし、NHKの大河ドラマは知り合いのところで見せてもらったりすることがある。しかし、今回もさっきちょっと見てきたが、もうあまり見たいという気が起らなかった。来週からはもう見ないだろう。

折しも、週刊誌などでは、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」について、「背景に作品巡る政治的配慮あり」、「撮影をNHK会長も視察 政権に配慮との声も」などと書かれている。真偽のほどは不明だが、そういうウワサがでてきてもしょうがないような「ドラマのでき」である。

設定が首相の地元の山口県で、女性の輝く社会とかを述べていたのに合わせたような女の主人公である。ウラに胡散臭いものがあるのではないかという感じがしていた。しかし、これは私だけではなく、他の多くの「週刊誌屋」も同じく、テレビを支配して政権の宣伝に使っているのではないかということを感じているということかもしれない。

また、ドラマ内でも、ことあるごとに「この国を守る」ということを耳障りなほど絶叫する。再軍備して戦争ができる国造り、戦前回帰をめざす安倍政権としては、「お友だち」のNHK会長との間で、国民的なドラマの中でそういう暗示を多くの国民に刷り込むという「暗黙の合意」ができているのではないかと疑われてもしようがないほどである。どちらにしても、この大河ドラマはもう見ることはあまりないだろう。

- 2015/01/18 -


昨今のNHKは政府・自民党の広報機関となってしまったかの感がある。
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「NHK籾井会長、即刻辞任を」 ジャーナリスト団体
日本ジャーナリスト会議(JCJ)と市民団体「放送を語る会」は10日、NHKの籾井勝人会長が定例記者会見で戦後70年にあたり従軍慰安婦を番組で取り上げるかどうかについて、「正式に政府のスタンスがよくまだ見えない。慎重に考えなければ」などと話したことを受け、政府の方針に従って番組を制作することを表明したにほかならないとして、即刻辞任を強く求める要望書を同局に出した。
要望書では、NHKが政府から独立した放送機関であることや、放送法に不偏不党や番組が何人からも干渉、規律されることがないと定められていることを明記したうえで、「政権党の意に従うと宣言したに等しい」としている。2団体は同日、NHK経営委員会にも籾井会長の罷免(ひめん)を求める要望書を提出する方針。
- 朝日新聞2015/02/10 -