貧すれば鈍する

政治業者の軽薄さが見事に表れている。「希望と民進が基本政策合意 統一会派に向け、近く党首会談へ」(東京新聞2018/01/15)だという。今さらこんなことをするくらいなら最初から分裂などしなかったほうがよかったのではないか。「隠れ自民」の政治業者たちが国民不在で政治をもてあそび、数合わせの「永田町」の論理だけで動く。政治の劣化はもう末期的症状である。

それにしても、民進の看板ではやっていけないと後足で砂をかけるように出て行った者が民進と手を組む。その節度のなさとハレンチなほどの軽薄さ。希望からは有害無益で不要だと排除された者がホイホイと希望と手を組む。その矜持(きょうじ)のなさとノーテンキなほどの健忘症。スジも信念もまったくない。コンニャクのようにグニャグニャである。これこそ腐った政党同士の野合の典型例であるといってもいいだろう。

他の記事によると、「増子氏は記者団に、統一会派を実現したうえで、新党へ移行する可能性にも言及した」(朝日新聞2018/01/15)という。新党とは希望の党ことか。このオトコたちが「寄らば大樹」の保身目的で希望の党に行きたいだけのことかもしれない。これは前原前代表が希望に行きたくて強引に合流したのと同じパターンである。この連中の考えることはみな同じである。そこだけは一致している(笑)。

また、「民進党は「違憲部分の削除」を求めていたが、「違憲とされる部分」に弱めて妥協した」(毎日新聞2018/01/15)という。 しかし、こんな何とでも解釈できるような「言葉いじり」、文言の問題ではないだろう。いずれゴタゴタともめることは明らかである。この連中には政治信念が欠如しているのである。どんな理念をもち何を目指しているのかが見えてこない。

自民党と同じようなことを言う政党など存在意義も価値もないということがわかっていないのである。「貧すれば鈍する」を地でいくような話である。

- 2018/01/15 -


合併中止

2018/01/13~14に行われた共同通信社の政党支持率は民進1.3%、希望1.2%である。これから見れば、この両政党の現有議席は過大すぎるものである。ちなみに、共産党は3.8%、公明党は2.8%である。支持率最下位を争うような希望・民進が、過去の「相続遺産」によって、それよりはるかに支持率の高い共産党や公明党よりも議員数が多いのである。いかに民意と遊離したところでこの連中が「政治ごっこ」をしているかがよくわかる。「安倍政権への対抗勢力結集」(東京新聞2018/01/17)などとは大言壮語で思い上がりもいいところである。いずれ選挙でもあれば、それ相応の議員数にしかならないだろう。激減または消滅を察知して(こういうところはイヌ並みにかぎつける)、選挙での保身に凝り固まっただけのゴミとガラクタばかりである。

その後、これは政治業者の文字通り「政治ごっこ」だったようである。
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民進、希望と統一会派見送り
民進党は十七日、希望の党との統一会派結成について協議するため、党本部で両院議員総会を開いた。大塚耕平代表ら執行部の提案に対し、出席者から反対論が続出した結果、希望との統一会派は当面見送ることを決めた。今後、立憲民主党を含めた三党での統一会派を改めて目指す
- 東京新聞2018/01/17 -

希望、統一会派交渉を打ち切り 「民進への信頼が崩壊」
希望の党は17日、緊急役員会を国会内で開き、民進党との統一会派交渉は継続せず、打ち切る方針を確認した。役員会後、幹部が明らかにした。民進が会派結成に関する結論を見送ったのを踏まえて判断した。希望幹部は統一会派結成を「断念する」と明言。別の幹部は「信頼関係が崩れた。決裂だと民進側に伝えた」と取材に答えた。
- 共同通信2018/01/17 -
それにしても、民進党の執念にはすごいものである。その執念を政治理念の構築や政策に振り向けようとしない。その異常さに気がついていない。立憲民主党や希望の党は統一会派などにはソッポを向いているのに、この期に及んでもまだヤル気だとは恐れ入る。どこかとくっついて「おこぼれ」にあずかろうという貧困な精神によるものであろうか。貧すれば鈍するである。

- 2018/01/17 -


人気のない芸人コンビ

人気のない芸人同士が手を組んでコンビを作ったところでやはり人気は出ないだろう。
NEWS BOX
両党(希望の党と民進党)執行部が統一会派結成を急ぐ背景には、低支持率への焦りがある。共同通信社の直近の世論調査では希望1.2%、民進1.3%だった。両党には「来年の統一地方選と参院選は戦えない」との声がくすぶる。
- 南日本新聞2018/01/17 -
人気のない政党同士が統一会派を作ったところで支持率が上がるわけではない。この芸人程度の政党の政治業者の考えていることは政党の名前を変えたいということである。中身は以前と同じだが、表紙だけを取り替えたいということである。

ここには政治業者の軽薄な心理が読み取れる。すなわち、名前を変えれば新党である。今までとは違う新しい政党であるとアピールできる。それで人の目をごまかすことができると思い込んでいることである。何度も何度も使われてきた手口である。だから、いつまでたっても民心に根付かないのである。
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希望、小池氏離党で調整 野党連携重視、分党も視野
希望の党執行部は、党創設者の小池百合子前代表(東京都知事)に離党を促す調整に入る方針を固めた。基本政策で隔たりのある結党メンバーの松沢成文参院議員団代表らと合意の上で党を分割する「分党」も視野に、将来の党名変更も検討する。複数の党幹部が25日明らかにした。イメージ刷新で党勢回復を目指すとともに、野党連携重視へ軸足を移す狙いがある。
- 共同通信2018/01/26 -
少し前にはもう統一会派の交渉は打ち切ったと言いながら、相変わらずこんなことをグジグジとやっている。小池一派のウルトラ右翼を追い出そうということである。上から目線で「排除する」などと言っていたオバサンが、いつのまにか排除されてしまう。庇(ひさし)を貸して母屋(おもや)を取られる事態になったのは皮肉である。げに、一寸先は闇の世界である。

となると、この党に残るのは今でも8割以上を占めている旧民進党出身者ばかりということになる。それで野党連携(実際は旧民進党に戻したい?)などとフザケタことをやるらしい。生産性のない離合集散をくり返すことに憂き身をやつすばかりである。あの分裂騒動はいったい何だっのか。政治信条もポリシーもあったものではない。もっとほかにやるべきこと、たとえば政策を磨くとか地方組織を作るとか、やることは多々あるだろう。

ところで、この政党がフラフラとして、いつまでも立ち位置が定まらない原因は単純である。マスコミが世論調査と称して公表する「人気投票」の数値によって右に行ったり左に行ったりしているだけである。その行動様式はまさに芸人と同じである。風に吹かれてタコのようにフワフワと飛び回るだけである。もっとも、「風」に吹かれてできた政党なのだから当然といえば当然なのだが(笑)。

- 2018/01/27 -


またまた合併話

相変わらず、合併に執念を燃やしているようである。
NEWS BOX
安保法「撤回含め見直し」=新党名24日にも決定-民・希
民進党と希望の党は23日、5月上旬結成を目指す新党の基本政策のうち、隔たりのあった安全保障関連法の扱いについて「違憲と指摘される部分を白紙撤回することを含め、必要な見直しを行う」との方針で一致した。
集団的自衛権行使を可能とする安保法をめぐり、希望は昨年の衆院選で基本的に容認。これに対し、民進は2016年参院選で「白紙撤回」を掲げていた。こうした経緯から明確な方針を打ち出せず、曖昧な表現で妥協した形だ。
一方、原発政策に関しては、民進が掲げてきた「30年代原発ゼロ」に統一した。希望は「30年までにゼロ」を唱えていたが、後退した。電力関連労組を抱える連合に配慮したとみられる。
- 時事通信2018/04/23 -
旧民主党の離合集散劇の大団円である。新党名は「国民民主党(略称・国民)」になるようである。希望の中の極右の老人や自民党色の強い者や旧民主党の分裂をさせた者は参加しないだろう。旧民主党の保守派ばかりが集まるとはいえ(旧民主の再結集)、それでもやはり合併政党につきものの内部対立の火種をかかえることになるだろう。

また、大した力のない連合を相変わらずアテにしているのはこの両政党の特徴である1)。これは、この両政党の議員が地方や地域に政治的基盤がないため、連合という既存組織に頼らざるをえないということに基因している。要するに、連合依存体質である。すべてが「他人頼み」で、態度が安易。自分で一から切り拓いていこうという者はいない。
NOTES
1) この点、立憲民主党は「草の根」民主主義を標榜して、連合などの組織に依存しない方針をとっているようである。

「原発」では「電力関連労組」のために思い切った方針がとれない。原発推進の自民党とほとんど同じになる。では、他の分野ではどうなるのか。たとえば、「脱石油」ならば「石油関連労組」の横槍が入ってくるなども考えられる。結局、政党としては大企業をスポンサーとしている自民党とほとんど同じになるだけである。連合の中身は官公労と大企業の労組である。どうしても企業擁護の方になびくからこれは当然のことになる。

ちなみに、毎日新聞の調査では、主な政党の支持率は自民党29%、立憲民主党13%でいずれも横ばい。他は共産党3%、公明党3%、日本維新の会2%、民進党1%、希望の党1%、無党派層は40%だった(毎日新聞2018/04/22)。こんなことばかりしていると、さらに人気がなくなるのではないかと思う。

- 2018/04/24 -