新行動パターン

多くの公共施設が限定的ながら使用禁止が解除された。コロナウイルスの特効薬やワクチンができていない以上、以前と比べるとさまざまな制限付きの使用であることは確かである。
近くの公立図書館(分館)では次のような「お触れ」が出ていた。他の施設も似たようなものであろう(推測)。
  1. 図書館の貸し出しカード番号が偶数の者は偶数日、奇数の者は奇数日だけ来館を認める。
    混雑を半減し「3密」を避けるためだろう。
  2. 入り口で貸し出しカード番号と入館日時・住所・氏名等の連絡先を書く。
    規則破りの与太郎を防ぐためと、クラスターが発生した時の追跡と連絡のためだろう。
  3. 入館時に体温検査して、規定以上の熱がある場合は入館お断り。
    発熱はウイルス感染のもっとも怪しい場合だから、これは致し方ないだろう。
  4. 入ると時と出る時に手指の消毒をする。
    今ではスーパーでも飲食店でもやっていることで抵抗感はない。
  5. マスクを着用するか咳エチケットのどちらかを守る。
    マスクがまだどこでも手軽に買える状況になっていない以上、マスクの強制は公的には無理だろう。
    この点から、スーパーで「マスク品切れ・未入荷・入荷予定不明」などと貼り紙しておきながら、入店は「マスク着用で」と言う店の神経はちょっとおかしいのではないかという気がする。
  6. 館内での滞留時間は30分を原則とする。
    実質的に本をゆっくり見て探すことはできないだろう。それを過ぎたら館内放送で追い出されるのか、帰る時に苦情をいわれるのか、それは不明。
  7. 館内の椅子・机・ソファーなどはすべて撤去。
    館内での閲覧はできない。人を集合させない、長居させないためだろう。となると、貸し出しと返却だけになる。
これがコロナ共存時代の「新行動パターン」か(笑)。たかが本を一冊借りるのもラクじゃない。ヤレヤレ、この先どうなることやら(笑)。

ところで、これから夏に向かう。暑くなると蚊が出てくる。この蚊を媒介にして感染する ― 感染者を刺した蚊が他の人を刺し感染する ― ということはないのだろうか。これだけに限らず、動物→人(ペット系とハエ・蚊・ダニ系)、物→人(おカネや店の商品)などの感染について明確な説明はあまり聞いたことがない。物媒介は手洗いなどで対応できるが、動物媒介はそうはいかない。こんなことを考えていけば、まさに「杞憂」におちいるだけかもしれない。いずれにせよ、特効薬やワクチンができるまでは忍耐ということになるのだろう。もちろん国や社会のためではない。無能無策の安倍総統(旧首相)の手柄にされて選挙に利用されるのも困る(このオトコならやりそうなことである)。あくまでも自分の身を守るためである。それが結果的に社会も守ることになる。厄介な時代である。

- 2020/06/01 -


新行動パターン(続)

さて、2カ月ぶりに「開店」した図書館に行ってみた。どう変わっているのか実地体験である。「お触れ」通りにマスクをして行く。もう汗はかくし、暑くて苦しいほどだった。マスクの真夏対策は考えておく必要がある。無料の駐車場も普段と違って車は半分ぐらいしか埋まっていなかった。あちこちに注意書きが見苦しいほどベタベタと貼ってある。以前は自由だった出入の部分は、入口と出口を分け、しかも一人が通れる程度にして、入口側に検温する係員がいた。無事、検温をパスして中に入る。人はたしかに少なくなっていた。混んでいるよりははるかにいい。

机・椅子類は撤去されているか、覆いをかぶせて使用不可の貼り紙がしてあった。蔵書検索用のパソコンなども撤去されていた。中では係員たちが電話対応に追われていた。話の内容から推測すると、あの「お触れ」は強制なのかというとことらしい。あれはあくまでも感染症防止のための「お願い」ということで強制ではないという説明をしていた。

しかし、検温と滞留30分というラインは最低限守ってほしいということだった。貼り紙の文字の大きさがそれを表わしていた。ということは他の項目は厳格に守らなくてもいいということか、または、ある程度融通が利くということなのかもしれない。


いずれにしても、30分という時間制限は厳しい。この公立図書館の本館は中心街の一等地にあって、その駐車場は1時間まで無料だったので(時間オーバーすると近隣の民営駐車場と同じ料金がかかる)、その時は本の数が多い本館のほうに行っていた。しかし、ある時からその駐車場の利用が30分まで無料に変更された(図書館とは無縁の利用者が多かった)。駐車場の出入りと本館までの往復の徒歩の時間をいれると残り時間はせいぜい22~23分しかない。これでは実質的に何にもできない。それで車を使う必要のない近くの分館にしたわけである(無料駐車場はあるが車で行くほどの距離ではない)

あの時は駐車場の時間がネックだったが、今度は実質の館内滞在が30分である。となると、どんな本があるか事前に図書館のホームページにアクセスして、借りる本を決めておいて、要領よく借りてくるということになる。ブラッと立ち寄って、パラパラと本を見て、面白そうなものをサッと借りてくるという「古き良き時代」の楽しみはもう当分は再現されそうにないようである。

- 2020/06/03 -