ヤフコメ愚民列伝:低能国粋右翼

ネトウヨの巣窟であるヤフコメ1)から抜粋した不定期の愚民列伝である。ここでいうネトウヨには、自民党のネトサポ、低能国粋右翼2)、ビジネス右翼、嫌中・嫌韓・嫌(沖)縄右翼、便乗右翼、年金右翼3)、固陋軍事オタクなどを含む広いものである(まとめてネトウヨと称する)。ヤフコメを見ればこういうバカの大乱舞である。また右翼の街宣車のようにその下品な声だけは大きい。バカネタには困らないが、見る価値はほとんどない。
NOTES
1) Yahoo!ニュースのコメント。
2) 簡単な見分け方として、「反日」、「マスゴミ」、「左翼」などの語を使い、マスコミに対して「煽る」という語を使っているのはほぼこれである。
3) ヤフコメに出演してくるのは大半が保守の岩盤層といわれる年金暮らしでヒマを持て余した頑迷固陋な骨董老人たちである。

これらの「書きなぐり」は愚民の雑音にすぎないが、別の見方をすれば蛙鳴蝉噪あめいせんそうの典型的なサンプルである。蛙鳴蝉噪とは、かわず(カエル)やセミの鳴き声のように、ただ騒々しいだけでとるにたりない議論や意見のことをいう。いかに庶民というものが愚かであるかということを示す好例にもなっている。それを愚民列伝として記録しておこう。何かの場合に「バカのサンプル」として使えるかもしれない。

[ニュース] 都内週末の人出、五輪会場周辺では3割以上増加…緊急事態宣言の効果発揮されず
読売新聞オンライン 2021/08/02(月) 10:48配信

愚民
あああああ | 6分前
左翼のマスコミと野党の諸君。
政府や都の対策が悪いとエラそう言ってるが、
君らは憲法の緊急事態法制定に断固反対し、野党は、議論のテーブルにすら着かなったじゃないか。そして君らは、緊急事態には、
現在の法律で十分対処できる言っただろう?

検討
このニュースに対するコメントがこれか、というその「無関係さ」には驚くが、ことあるごとに右派的言説を宣伝したがるのがこの種の低能国粋右翼である。これはヤフコメに巣食うダニのようなもので、どんなニュースにも顔を出す常連出演者でもある。

それにしても、ネトウヨの程度が低すぎることがよくわかる。まさに低能国粋右翼丸出しである。憲法レベルでいう緊急事態条項4)は現時において流行しているような感染症対策で想定されたものではない。その基本がわかっていないから、上のようなスジ違いもはなはだしいことを臆面もなく言い出すことになる。まったくトンチンカンなことを「独演会」しているのである。まるで菅アベノコピー政権の低能首相の、質問に対するトンチンカンな回答と相通じるものがあるようである。しかし、こういうレベルのオトコが日本の多数派なのだろう。嘆かわしい。
NOTES
4) これは憲法(学)の世界では「国家緊急権」と呼ばれているものである。

現在コロナ禍に対して出されている「緊急事態宣言」と、このネトウヨの言う「憲法の緊急事態法制定」とはまったく別物である。言葉がよく似ているので混同しやすい。むしろ政府は、このバカのように混同してもらうことを想定して(いわばドサクサ紛れに)、憲法に「緊急事態」条項を入れようとしたものである。すなわち、憲法を改正して「緊急事態」条項を入れれば、今のようなコロナ禍も一挙に解決すると誤解してくれることを期待しているのである。

ところで、政府・自民党が考えていた「緊急事態の宣言」とは、自民党の改憲案(98条,99条)によれば次のようなものである。
参考
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
対象範囲がまったく異なるもので、現在のコロナ禍にはもともと適用できないものである。この条項の意図するところは国の最高法規である憲法(規範)の停止である。自民案99条にはそれが露骨に表れている。決して病気やウイルスの撲滅などを目的とするものではない。これが一度宣言されるとほぼ独裁政権が可能になる。憲法の規制を受けない権力を認めることになる。そんな独裁政権を認める必要は今の整備された法体系のもとでは認める必要はない。多くの人が反対したのはそういう点である。今の制度でもそういう危機的状況には対応できるということである。

以上からわかるように、これは感染症対策として使われている「緊急事態宣言」とは似て非なるものである。しかし、言葉が似通っていることを利用して、憲法に「緊急事態」を書き込めば、今のような新型コロナの対策にも有効だと誤信させて、またはそういう幻想を持たせて改憲をはかろうとしているのが政府と自民党である。政府・自民党は、この低能右翼のように、多くの愚国民がそのように誤解してくれることを期待して ― 事実このオトコは誤解している ― 憲法に緊急事態条項をねじ込もうとしているのである。その先には強権政治(今でもその傾向があるが)、独裁政治が待ち構えているだけである。少なくとも、それに道を開くことになるのは確実である。


補足

この低能国粋右翼は感染症対策の一つとしての「法的強制力のあるロックダウン(都市封鎖)」と「憲法の緊急事態法制定」とを取り違えているフシがある。まったくスジ違いの話だが、その程度の理解力(むしろ誤解力)しかないバカが大声で怒鳴り散らかしているだけである。右翼の街宣車のように音だけは大きい。

ちなみに、政府・与党はロックダウンについて消極的である。
NEWS BOX
首相、ロックダウンは「決め手にならない」…専門家は私権制限にも前のめり
新型コロナウイルスの感染抑制策を巡り、強制的な行動制限を伴う法整備に慎重な政府と、前向きな専門家や野党の温度差が表面化している。菅首相は、外出や移動を制限する「ロックダウン」(都市封鎖)について、私権制限を伴うことに加え、感染の完全な封じ込めは不可能として消極的だ。
- 読売新聞オンライン2021/08/18(水) 23:43配信 -
- 2021/08/03 -





国家緊急権または緊急事態条項
憲法と国家緊急権(cb_0113)