ウソツキ総理あるある事件

言っちゃナンだが、そういうこともあるだろうよ、という程度のニュースである。だれでもいいから殺したい、そんな八つ当たり殺人のひとつであろう。ましてや「言論封殺」「民主主義の破壊」などは骨董マスコミの大好きな定番文句だが、そんなシリアスな問題などはまったく含んでいない。日本政治史に突出して輝く汚点を残すほどのウソツキ総理ぶり。日本の民主主義の破壊の元凶、強権政治、政治の私物化、お友だち優遇のえこひいき政治、無責任政治のやりたい放題のイカサマ政治、などなど。それをよく思わない人は多数いたと思われる。こんな事件が起こっても別に不思議なことではないだろう。
NEWS BOX
安倍晋三元首相銃撃され死亡 参院選の街頭演説中 殺人未遂疑い41歳男逮捕
8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で参院選の街頭演説をしていた自民党の安倍晋三元首相(67)が銃撃された。安倍氏は血を流して倒れ、救急搬送されたが死亡が確認された。奈良県警は殺人未遂の疑いで、現場で取り押さえられた元海上自衛隊員の職業不詳山上徹也容疑者(41)=奈良市大宮町3丁目=を現行犯逮捕した。銃も押収した。
- 東京新聞2022/07/08 -
しかし、この国は死ねば過去の行状は美化されてしまい、神として崇め奉られるという醇風美俗に満ちた「寛容」な風土である。または、それは一切の批判を許さない同調圧力として国民に強要する「偏狭」な土壌でもある。今までの疑惑はすべて「彼とともに去りぬ」で帳消しになって雲散霧消しまうだろう。テレビなどのマスコミは批判を控えて ― むしろ自民党の「脅し」によって批判能力を喪失してしまった ― 、安倍政治の功罪の「功」しか取り上げず、「罪」のほうは切り捨ててしまう。このオトコのやってきたことを考えれば、その存在こそが「民主主義への脅威」だったはずである。それが権力を持っているがゆえに、たとえ犯罪まがいのことをやっても忖度公務員たちに囲まれて、野放しになっていただけではなかったか。その評価は100年ほど先の気の長い歴史の世界 ― 彼の嫌っていた(歴史)学者によって ― にまかせられることになるだろう。

それにしても、皮肉なことは、この人が大好きだった自衛隊の ― 元隊員とはいえ ― その関係者に殺害されたということである。これほど皮肉なことはない。たとえこうなったところで、大好きだった自衛隊員(ただし元職)のやらかしたことである。多額の税金を使って育成してきた自衛隊に「戦争ごっこ」と「人殺し」の練習をさせてきたことの成果でもある。粗末な武器でも一発必中の実力の高さ。戦闘の任に支障なし。元自衛隊の最高司令官としては部下の技術の向上を身をもって実証したわけで、以て瞑すべしであろう。

また、自民党はこの事件を「とむらい合戦」的な位置づけで最大限に利用することだろう。いつもながらこういう悪知恵だけはよくはたらく。また、浪花節的な国民性からみて、今の物価高はアベクロ政治(安倍と日銀の黒田)の結果だということはコロッと忘れてしまい、爆発的な「お涙頂戴」の集票が期待できる、選挙勝利はまちがいない、などと計算していることであろう。アベさんのカビの生えたようなくだらない演説よりもはるかに選挙には効き目があることだろう。

天網恢恢疎にして洩らさず、という言葉がある。権力を私物化して好き勝手に権勢を誇ったウソツキ(元)総理も、その末路は哀れである。人生はどこかで帳尻があっているということかもしれない。見よソロモンの栄耀も野の白百合にしかざるを、である。

- 2022/07/08 -