京のおばんざい(京都)

何の因果か(?)、ついつい京都へ行くハメになってしまう。京阪電車の四条駅に降り立つ。

四条大橋で。
鴨川の北方をみる。向こうに見える橋が東海道五十三次の終点の三条大橋。はるか向こうに北山連山が見える。

左下側(先斗町)に名物の「川床」が出ている。その下の川原に一定間隔をおいてカップルが陣取る。どういうわけか大昔から等間隔になるのがシキタリであるらしい。この付近の鴨川の定番シーンである。

四条木屋町で。
北西の角にある土産物屋前から四条通りの西側をみる。 手前が阪急百貨店、その向こうの白い建物が高島屋。それらにはさまれた所が河原町通り。

この土産物屋で、京都人のお宅を訪問するのに手土産に「生八橋」買う(笑)。ぜんぜん、気がきかないなぁ。

四条木屋町で。
その土産物屋前から四条通りの東側をみる。 中央に南座1)が見える。この通りのつきあたりに祇園祭で有名な八坂神社がある。その向こう側は、八坂の塔から二年坂、三年坂と清水寺まで続く、幕末・明治の雰囲気が色濃く残る散歩道になっている。
NOTES
1) 南座は元和年間(1615-1624)の公許七芝居小屋のひとつで、営業中の劇場としては日本最古のものである。由緒ある建物には「南」という字がつく。これは「君子は南面す」といわれた古代中国の言葉に由来する。南面は天子(皇帝)の位を指し、その位置は常に南に向かっていた。劇場の中で客は皇帝と同じように南に面して舞台を見ることになる。
2) 左京と右京という言葉は、南面する君子から見て左側にある方を左京、右側にある方を右京ということに由来する。

夕方になって、西院(さいいん)にある京のおばんざい(おばんざいとは京都の家庭料理のこと)の店「北平」に行く。 ここは京野菜がメインの和食店である。店の雰囲気がいかにも京都の古い民家ふう(実際そのとおりなのだが)で落ち着いた、いいところである。

こういう庭を見ながら食べると、さらにいい。食べ物はセッティングが大切である。この店はトイレにまでこまかい配慮がされている。

われわれが陣取ったところである。珍しく洋風である。店主がダービー馬の馬主だったとかで、その名も「ダービーの間」という。古き良き大正ロマンの面影が残る。ここで飲んだ「上善如水」のうまかったこと。


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