食は人間の生存の根幹にかかわるものである。昼(だけに限らないが)に自分の好きなものや健康によいものを食べるのは、一般的自由説によれば当然であるが、人格的利益説でも基本的人権のひとつであろうと思われる。むしろ当然すぎて問題にもされない種類のものである。サラリーマンにおいてはこの人権は、だれの干渉もうけずに「休憩時間を自由に利用」(労基法)できるという自由利用の原則と相俟って実現され、「人格的自律」がまっとうされることになる(ちと大げさか/笑)。
証券会社の部長(42)は、昼食時に部下が「今日は社外の人と食べます」と言うと、「人間関係は大事だからな。行って来い」答えるのが口癖だ。 (以下略)。
- 朝日新聞2003/07/29 -
受験勉強の学生のようだが、この方法は本を知的ツールとして利用するには有用な方法であろう。われわれも日常的にやっていることである。もっとも、家永さんのこの読書方法は30年以上も前に出た家永三郎著「戦争と教育をめぐって」(法政大学出版局)という本にも書かれている。その中には、古い本が傷んで同じ新しい本を買ったときも古い本を見ながら同じ所に線を引きなおす、ということまで書かれている。
本の多くのページには、定規でびっしりと引かれた赤と青の鉛筆の線が残っている。
- 朝日新聞2003/07/01 -