エイプリルフール

世は「マンボウ」ブームだそうである。北杜夫の「どくとるマンボウ」シリーズの再来かと思っていたら、これはコロナウイルスの「まん延防止措置」のことらしい。気楽な政治商売は、言葉だけあれこれと手を変え、品を並べ変えて、「やってる」フリはしているが、結局は「あれを控えよ」「これを自粛せよ」ばかりである。緊急事態宣言だとか騒いで、それを解除した後すぐまたこのドタバタである。もうエイプリルフールの「ウソ」じゃないかと思ってしまうほどマンガ的である(私見)。

今日の4月1日はエイプリルフールの日である。この「遊び」の本家であるイギリスではAll Fools' DayとかApril Fools' Dayとか呼ぶようである。小さい頃はいかに「まことしやかなウソ」を言ってだますか、あれこれ苦労して遊んだものだったが、高校を出たあたりからこの「遊び」をすることはなくなった。

ちなみに、本家のイギリスの子供たちはどんな「ウソ」で遊んでいたか。

Most of their tricks are far from original, and many have been used so often that they have now become traditional, yet they succeed again and again, and will probably go on doing so for a long time to come. One is to tell someone that his shoelace is undone, or his tie is crooked, or that something else is wrong with his dress, when in fact all is in order.

本当はどこもおかしいところはないのだが、「靴ひもがゆるんでいるよ」、「ネクタイが曲がっているよ」、「服装がちょっとおかしいよ」といって 、相手がハッとして下を見て直そうとすると「エイプリルフール!」といってはやしたてて喜ぶ。本当に罪のない「ウソ」だったようである。単純で日常的なだけにこういう「ウソ」は何度も何度も繰り返して使われ、それにもかかわらず長い間人々はその「ウソ」にひっかかってきたという。

William Honeという人によれば、このうち「靴ひもがゆるんでいるよ」とだますパターンは1825年以降のもので、それより前は「靴の留め金がはずれているよ」だったそうである。靴にはもう「留め金」が使われなくなったため、「靴ひも」に変わったというわけである。「ウソ」が進歩したといってもこの程度である。それに比べると、日本の政治業者や役人たちが日常的に使っている高度に進歩した悪質な「ウソ」はその巧妙さにおいてはエイプリルフールでも許されないレベルであろう。それに対して本来のエイプリルフールのなんと牧歌的でのんびりとほほえましいことか。そんな時代(と社会)がなつかしいほどである(笑)。
- 2021/04/01 -


工芸品

珍しい本をもらう。「柳河版」の北原白秋の「抒情小曲集 思ひ出」という上製箱入りの立派な詩集である。これは「本」というよりも本の形をした「工芸品」に近い。九州旅行のお土産である。明治44年に東雲堂書店から出版されたもののいわば復刻本で、末尾に「この書物は故郷柳河を生涯愛した詩人白秋を永久に記念するため、日本郷土文藝叢書の趣意により柳川市に於てのみ発売するものである。」という記載がある。

簡単に言えば、ご当地に縁の深い作家の地域限定版というもののようである。出版当時の雰囲気が伝わってくるようで、今の無機質な文庫本の文字の並びから受けるものとは異なった感動がある。ちなみに、似たようなものに、石川啄木の「函館版 一握の砂」、国木田獨歩の「武蔵野市民版 武蔵野」、夏目漱石の「明治村版 吾輩は猫である」などがあるという。実質的な本の内容は市販の※※文庫で買えるものと変わらないだろうが、ちょっと気の利いた「お土産」としては別の意味での利用価値もありそうである。



- 2021/04/05 -


単純手作業

ここ数日はipcエリアのPCSM化をやっていた。
実際は既存のipc(イモ・ピーシー)エリアのファイルを実験的を改造しただけである。
従来のものとの大きな変更点は次の3点である。
  1. ファイルをパソコン専用からパソコン・スマホの共用化(PCSM化)に変更。パソコンでもスマホでもほぼ同じように見える。
  2. 文字コードをShift_JISからUTF-8(BOM)に変更。
  3. UTF-8ファイル専用の列挙型検索スクリプト(CGI)の作成。
これも最初のうちは未知の事ばかりで、いろいろ試行錯誤して「発見」の楽しみがあった。しかし、ある程度わかってくると、そういう「発見」の楽しみもなく、ただの「単純手作業」でしかなくなってくる。まして既存のものを書き替えるだけのことは退屈極まる。とりあえず今はこのエリアだけ約200個ほどのファイルを書き換えただけであるが、あまりに単調すぎて一気にヤル気がなくなってしまった(笑)。他のエリアのPCSM化はまた気が向いたときにしよう。

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- 2021/04/06 -




暑さ寒さも彼岸まで。さすが先人の知恵である。完全に「寒さ」の季節は脱したようである。
新緑のさきがけ、というのは大袈裟だが、近くでみつけた麦である。



島崎藤村の「小諸なる古城のほとり」の詩に次のようなフレーズがある。
あたゝかき光はあれど
野に満つる香も知らず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わづかに青し
緑の葉っぱでも「青」葉、信号も赤「青」黄のように、日本語の「青い」は緑色の場合にも使われる。「麦の色わづかに青し」の麦も緑色である。これからはこういう色の季節でもある。
- 2021/04/08 -


コピーの落とし穴

折を見てPCSM化(パソコン・スマホの共用化)をやっている。今までのパソコンでの色々なパターンをスマホで実現できるかが問題である。通常のテキストばかりのものはほぼ問題はないが、それ以外のものが混じっている場合に、ハタと行き詰まることがある。

昨日は、JavaScriptのフォームが入ったパターンである。旧来のパターンと同じものがスマホ用に再現できない。tableが横に2つ並び、それぞれを横スクロールさせるものだが、これがなかなか厄介である。そこで、tableを縦2つに変えてみだが、どうも表示が再現できない。tableの外側の枠線が切れてしまうのである。


あれこれいろいろ触りまわってやっと原因がわかった。両立しない2つのスタイルを設定していたのがトラブルの元だった(詳細省略)。そこで、この横幅ならスマホの横幅に収まるのではないか。となると、横スクロールは削除しても問題はないだろう、ということで一応は「まとも」になった。


ついでに、ここで使っているフォーム(formタグ)とJavaScriptはかなり古いものなので、この際に修正しておくかと手を付けたのがまた「ドロ沼」だった。もちろん古いままでもちゃんと動作はする。しかし、今の視点から少し書き換えておこうというだけのつもりだった。

ところが、ウンともスンとも動作しない。*.jsファイルを読み込んでいるのかいないのかもハッキリしない。何の反応もない。Microsoftの改悪路線のおかげで、こういう仕様になっていることは前から気がついていたが、ここまで不親切だとは。要するに、*.jsファイルのどこか1カ所にでもミスがあればそのファイル内の全関数が一切動作しないということである。それで無反応になる。これはIE, Edgeともに同じ。製造元が同じだから当然か。

そこで、Edgeの右上にある「…」→「その他のツール」→「開発者ツール」を見ると次のような画面が出てきた。


この下から3段目のところに「Unexpected token '=='」というのがある。「==」はJavaScriptでも当然に使えるはずで、別に問題はないと思っていた。これを使っている部分は、たとえば次のようなところで、これに問題があるとは思えない。

SAMPLE
if(isNaN(vwt)==true)

それ以外には使っていないはずだが、、、と思って念のためもう一度見てみたら(実は10回以上見ているのだが)、意外な所でこれが「使われていた」ことがわかる。

SAMPLE
var bmi2==Math.round(bmi*100)/100;

これでは動作しないはずだ。完全な間違いである。しかも超初歩的なものである。こんなものを書くはずがないのだが、、、。しかし、なぜこれが生じたのか。修正前の部分は次のようなものだった。

SAMPLE
obj.bmi.value=Math.round(bmi*100)/100;

これは今の点からみるとちょっと古いので、2行に分けようとしてコピーしたときに「=」が余分に紛れ込んだものである。

SAMPLE
var bmi2=Math.round(bmi*100)/100;
idBmi.value=bmi2.toString(10);

var bmi2=」まで書いて、後は古いものと同じだから「Math.round(bmi*100)/100;」をコピーしたつもりが、その前にある「=」を含んだ「=Math.round(bmi*100)/100;」をコピーしてしまったというわけである。自分では「==」などになっているとは思ってもいないから、これはなかなか気がつきにくい。こういう原因の探求にまる1日かかってしまった(笑)。

それにしても、Edgeのアラート(メッセージボックス)のタイトル「このページの内容:」のトンチンカンなことよ。こんなものがのっそりと上から出てくるのである。IEのほうがまだ少しマシである。どんな神経なのか、Microsoft。


メモ
この「このページの内容:」というタイトルは、prompt, confirm, alert に共通である。「布団(ふとん)も座布団(ざぶとん)も同じ」という発想である。また、このウインドウは動かせない。ウインドウの下に何が書いてあったのか、それを見ようとしても見えない。JavaScriptに対する冷遇(敵意)がよく見えてくる。
- 2021/04/13 -


EdgeとJavaScriptの使用例

JavaScriptのalert(警告、確認、注意などのメッセージ)のタイトルが完全に「空気が読めていない」ものである点が笑える。
この表示は、alert, prompt(入力), confirm(確認) ともすべて同じである(爆)。









動作不調時の調査

JavaScript1カ所でもミスがあったら、その*.jsファイル内の関数はすべて動作しない。ウンともスンとも言わない。ダンマリのまま。

Edgeの右上にある「…」→「その他のツール」→「開発者ツール」を見ると次のような画面が出てくる。これはそこをいろいろ触っていて出てきたもの。デフォルト(または初回時)では何が出てきたかは覚えていない(笑)。いろいろクリックしまわって「体験」していくほかはないだろう。


ソースを見たい場合は、画面上で「右クリック」→「ページのソース表示」を選択すると、別タブにソースが表示される。そこでは編集(修正)はできない。単に見るだけである。しかし、エラーが起こった行がどんなところなのかの確認程度には使える。そこで修正できないのが致命的欠陥であるが。


その位置がわかったら、メモ帳などのエディタで読み込んでそこで修正して保存することになる。この画面内ではできない。
- 2021/04/13 -


飲食店の赤字

「ファミマ、最終赤字164億円…2月期決算」、「リンガーハット、赤字最大に 87億円、128店舗閉鎖」、「サイゼリヤ 半期決算で5億円超赤字」、「吉野家、75億円の赤字=コロナ打撃―21年2月期」などのニュースを見ると、全国展開している大手の飲食店などはコロナ禍の影響を直接受けていることがわかる。こういうところでは1日の6万円程度の時短協力金では赤字の解消は難しいだろう。「コロナ対策」か「経済を回す」かは侃々諤々の議論があったが、結局は、コロナを根絶(または激減)させるなどのコロナ対策が長い目で見ると、それが同時に経済対策にもなるということである。
- 2021/04/16 -


誤常識

コロナの変異株の感染力は強いらしい。それで以前にもまして「マスク」着用がいわれるようである。マスク、マスクと言われても、ドラッグストアなどで売っているようなものにコロナウイルスを遮断する効力などはないだろう。相手は超微細なウイルスである。マスクのすき間からいくらでも侵入してくる。防禦の役には立たない。こんなことは少しは常識がある人間ならだれにでもわかっているはずのことである。
NEWS BOX
互いにマスクしていたのに…勾留中の男感染、取り調べ捜査員の感染判明で検査
福岡県警は17日、逮捕後に福岡県筑後地区の警察署に勾留されていた40歳代の男が新型コロナウイルスに感染したと発表した。取り調べを担当した捜査員の感染が判明し、PCR検査を受けていた。
- 読売新聞2021/04/18 -
マスクをしていれば安全・安心だという誤解というか誤常識(むしろ非常識)も相変わらずなかなか根強い。自分がマスクをするのは、ただただ他人に脅威を与えないためである。そんなものはウイルス対策には何の役にも立たないから、個人的にはマスクなどしたくはない(人がいない所では当然マスクはしない)。しかし、そんな無意味なものでもマスクをしていれば他人は少しは安心するだろう。ただ、それだけのためである。
- 2021/04/18 -


ことあげ

真継伸彦「宗教と政治」に移動
- 2021/04/21 -


緊急事態

緊急事態宣言の効果・効能はどの程度あるのかは知るよしもないが、近くの大型のショッピングモール(イオン)に行ってみた。食品売り場以外は原則休業しているとアナウンスしていた。それでもいくつかの店は営業していたが、人の出はいつもより格段に少なかった。なにがしかの「効果」は出ることであろう。しかし、過去の例を見るまでもなく、指定の期限がすぎると(または数日たつと)またいつもの日常が戻ってウイルスも再活動してくるはずである。

また、こういう時は「お上」が号令をかけている以上、図書館・博物館などの公立の公共施設はほぼ休みになる。喫茶店などの民間業者も休業しているのかどうかわからないので、事前に電話で聞いてみると、店は開けているという。30分後に行くからと連絡しておく(予約席と書かれたプレートを置いてくれる)。この店は持ち帰り専業に切り替えたわけではないようである。それにしても、この程度の注意喚起的な「ゆるゆる」の規制が、不自由さの中の自由というやつでガマンできる範囲になる。それで万事うまく運べば世話はないが、そんなにうまくはいかないのがアウト・オブ・コントロールのウイルスの世界である。
- 2021/04/26 -


まだ生きていたか

変異型のコロナ禍の真っただ中にいる大阪の知人から連絡があった。まだ生きていたか(笑)。その話によると、今はコロナとは関係のない病気になっても行く病院がないという。これがちょっと重いものなら、すなわちそれは命にかかわる事態になるという。今の事態にかなりの危機感を感じているようだった。生きるか死ぬかの時にでも「不良国民」はトリアージで選別されて放置されるだけだろう。年寄り、一人暮らし、年金暮らし、などは真っ先に切り捨てられることであろう1)。今さら医療基盤の脆弱さ ― その淵源は日本(大阪)維新の会の橋下府政下で推進されたのだが ― を嘆いてもはじまらない。大阪人は維新が大好きである。ある意味では自業自得である。それはともかく、この期に及んではもう予防に注力するしかないだろう。ひとたび体の変調を感じれば、もうお陀仏である。なんという恐ろしい時代になったものか。
NOTES
1) 読売新聞オンラインによると「「高齢者は入院の優先順位下げる」大阪府幹部が保健所にメール…府は撤回し謝罪」(2021/04/30)ということがあったという。世間の反響が大きかったために撤回されているが、役所側の真意がにじみでているようである。
- 2021/04/30 -